ことばを育む 親子の時間 ~もっとことばを増やしたい!~

大変長らく滞っておりました「ことばを育むシリーズ」インリアルアプローチの手法に基づくアレンジレシピ!
最終回は、ちらほら話し始めた子どものことばをぐぐっと増やして行くアレンジのご紹介です。

語彙が増えない、教えても飛び飛びの知識になってしまって、実用性がない・・
話し始めたようだけど、どう展開してあげたらよいなかわかんない・・
なんてお悩みに少しでもお役立ていただければと思います。

(ここまでのことばを育むシリーズ 最後にまとめてリンク貼っています。)

エクスパンション(内容を広げる・拡大する)

子どもが発したことばを元に内容を拡げて展開させる手法です。ことばに何かつけくわえたり、詳しく述べてあげる手法です。

例えばこんな場面で

犬を指さしながら

子「わんわん」 大人「ホントだ!わんわん、お散歩してるねー」
「わんわんどこ行くのかな~?」
「わんわん、待て待て~」(いっしょに追いかけてみる)

例えば、ママが仕事でいないときに「ママ」「ママ」(逆が多いでしょうか「パパ」「パパ」でも同じですが)と子どもが呼び始めたとき

子「ママー」 大人「ママいまお仕事だよ」
子「ママ―」 大人「ママ何時に帰ってくるだろうね~」
子「ママ―」 大人「早く帰ってきてほしいね~会いたいね~」「ママ帰ってきたら何しようか~」

時計など「見せて」伝えてあげるとよりわかりやすいですね♪

日常生活の中では、こんな場面が想定しやすいかもしれませんね。
ついつい「ママいないよ。パパだよ」とか「わんわんだね~」で終わってしまいがちですが、そこでちょっと一言意識してくっつけてみると、
子どもは「共感してもらえた」「ちゃんと聞いてもらえた」喜びとともに、自分が言いたかったことを「ことばにするとそうなるのか」ということを学ぶことができます。

でも単調な日常の会話ではネタが尽きる・・・

そんなとき意図的にこのような場面を生み出せる便利アイテムが「絵本」です。

絵本の挿絵を指さして

子「ちょーちょ」 大人「あ、ほんとだ!黄色いちょうちょ飛んでるね~!よく見つけたねー。あ、こっちにはちゅんちゅんの鳥さんいたよ」
子「ちゅんちゅん」 大人「ちゅんちゅん上手に言えたねーー(喝采)」

子「ぶーぶー」 大人「赤いぶーぶと黄色いぶーぶあるね。こっちが大きいね。こっちちっちゃいね」

絵本の使い方は無限大!!

なんて話しているだけで、子どもたちはどんどんことばを覚えていきます。

ことばだけではなんとなくあいまいで心もとない知識になってしまいがちですが、イメージ(絵)とことばをセットで一緒に教えてあげられると子どもたちは自然とそれを結び付けて安定感を持って知識を蓄えていくことができます。

ことばは「どうぐ」なので、一つ一つのことばで
「こんな場面で使うんだよ」「こうやってつかうんだよ」「こんな使い方もできるんだよ」「ここでこう使うとこんな情報が得られるんだよ」という取り扱い説明書が必要なのです。

大人でも初めて扱う道具を、突然口だけで説明されて「ハイ使ってみて」と言われても困りますよね。実際に使っている人から「いつ」「どんなときに」「どういう方法で」使うのかを見たり聞いたりしながら学んでいきます。

絵本の挿絵はことばだけでは表現しきれないそんな情報をたくさん提供してくれます。

読み聞かせの時間やこどもが絵本を持ってきたとき、文や文字を読むことに集中し過ぎず、一緒に挿絵を見ながらいろいろな読み方で「拡大」させてあげると、面白い拡がりを見せてくれるかもしれませんね。

モデリング(子どもに用い方を示す)

実際の場面の中で、子どもの好きや話題に沿いながら,子どもの使うべき「行動」や「新しい言葉」のモデルを示すという手法です。

会話ややりとりを通じて役割交替や言葉の使い方,対話の進め方等についてのロールモデルを示す手法になります。

例えば、子どもがご飯を食べているときに、「まんまー〝おいしーー〟ね」と言葉を掛ける。(ここでサインやジェスチャーを付けるとより充実しますね)でも良いですし、困った顔をしているときに「どうしたの?〝手伝ってー〟かな?」
「かしてーって言ってみたら?」「一緒にやってみようか」でも良いです。

実際の生活場面で、こういうときはこう言ってみると良いかもよ・・・
こんな風にやればできるよ・・・という一つのモデルを自然な流れで提示します。
(それだけが正解だと教えるのではなく、あくまで「私ならこうするかな~」と一例を示すスタンスで)

ことばを育むシリーズでは、ここまでインリアルアプローチに基づく「ことば」を伸ばすための姿勢と、言語聴覚士としてお子さんとの関わる中で意識している手法をご紹介してきました。

インリアルでは、6種類の段階の手法をその時々に応じて用いますので、実際にはミラリングとパラレル・トークとか、エクスパンションとモデリングというふうにいくつか組み合わせて用います。

ちなみに大人がついやってしまいがちな「これなあに?言ってごらん」「〇〇どれ?知ってる?」と言うのは、どれにも入りません。笑

SOULの姿勢もインリアルアプローチも訓練場面でのみ用いるものではなく、あくまで子どもとかかわるすべての大人が意識できると良い姿勢や手法なので、是非日々の子育てでも取り入れてみていただけたらと思います。

話が少しできるようになった子どもには、大人はつい普通の自然の会話のように受け答えしてしまいますが、ことばを育む時期に大切なのは、大人は常に子どもの理解度に合わせ、子どもの話しに従っていくということです。

子どもたちの歩みに歩幅を合わせて、その歩調や目線でしか味わえない楽しみを共に楽しむ・・・
ことばを育むシリーズが、そんなおやこの時間を温めるヒントの一つになればよいなと願っています。

ことばを育む 記事一覧

ことばを育む ~「ことばがおそい」と言われたら~
http://healthyparentinglab.online/kotobagaosoi/

ことばを育む ~まず、すること 「子どもを知る」こと~
http://healthyparentinglab.online/kotobawohagukumu2/

ことばを育む ~〝ことば〟を話したくなるアレンジレシピ①~
http://healthyparentinglab.online/kotoba3/

ことばを育む ~〝ことば〟を話したくなるアレンジレシピ②~
http://healthyparentinglab.online/kotoba4/

投稿者プロフィール

堀川 由樹子
堀川 由樹子
鹿児島県出身
広島県立保健福祉大学
保健福祉学部
コミュニケーション障害学科卒業
言語聴覚士国家資格取得
母親 9年生 (個性豊かな3兄妹と夫と暮らす)

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