いまできること「重い障害をもつ子どもにこそ 高等教育を」

今、全世界で起こっている「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」のデモをみて、1960年代に起こったアメリカでの公民権運動とキング牧師を思い起こす人も多いと思います。

しかし、その当時、同じマイノリティーとして障害者の自立運動を展開したエド・ロバーツのことはあまり知られていません。

エド・ロバーツは、ポリオで全身まひがあり人工呼吸器をつけてカルフォルニア大学バークレー校に入学しました。
その後、大学院に進み、障害者運動の旗手となり、自立支援の父と言われた人です。彼は来日もはたしており、全国に自立生活センター(CIL)を広げるとともに、全世界に「重い障害をもつ子どもにこそ、高等教育を」という理念を伝えました。

公民権運動が、大学という場所で起こったことはとても重要な意味があります。重い障害があっても地域で進学し大学まで通うことは、社会に参加し、たくさんの人との出会いのなかで、彼らを理解する仲間と共に学び共に社会に巣立つ可能性を示しています。

アメリカの公民権運動は、大学生たちが中心になって世界中に広がり、世の中を動かしました。これから社会に出ていく大学生たちが、仲間である黒人や障害の有る同級生とともに、自分たちのこととして、障害や人種の違いで差別されない社会を求めて活動し、様々な制度や法律が整備され、障害者が自立できる社会を創り出したのです。

日本の子どもたちは、そのようなチャンスを与えられているでしょうか?
また、大学はそのような場所になっているでしょうか?

身近にいる家族や友人、地域住民が一丸となって住みやすい社会を創る。

すべてのこどもたちの高等教育の可能性を拓き、どんなに重い障害があっても、その人の存在を生かす役割がある。
それは、世界中で今、見直されている人権運動と同一線上にあります。

目の前の子どもたちが18歳をむかえたとき、特別勉強が得意でなくても、未来のために学び続け、友達とすごせる環境を拡げるために、大学を選べるような社会にしておきたいと思います。

投稿者プロフィール

伊藤 直子
伊藤 直子
大阪市出身

1歳半の時にポリオに罹患し、左足が弱い.

高校時代、大阪市長居障がい者スポーツセンターから水泳で全国大会へ出場し金メダル獲得.そのような経験を多くの子どもたちに伝えたくて作業療法士を目指す.

国立療養所近畿中央病院付属リハビリテーション学院作業療法学科卒業.

34年間、近所の小児リハビリテーション病院で勤務.在職中はロフストランドクラッチでアメリカやヨーロッパに単身遠征.管理職となると同時に大阪市立大学商学部で経営学を学ぶ.

早期退職で「かなえるリハビリ訪問看護ステーション」に転職.

訪問作業療法による在宅支援に加え、保育所や学校への訪問支援を開始.

静岡の聖隷クリストファー大学大学院で作業科学や作業療法科学を修了.

現在は、森ノ宮医療大学で大学生の作業療法教育に携わる.

生まれ育った大阪で、子どもたちが成人し、親から自立していく過程で、声をかけられたらいつでも対応できる街の作業療法士でありたい.

趣味は、50代で結婚した夫とアジアを旅行し、美味しいものを食べること

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